就学前のムシ歯予防 これだけはがんばろう!!
6歳臼歯管理ノート
                      (乳歯から永久歯への曲がり角

                           −いい永久歯を迎えるために)


  最近、お子さんのお口をご覧になる事はありますか?

  この時期というのは、ちょうど、乳歯の時代からいよいよ永久歯の時代に入って行

こうとする、曲がり角にあたるわけです。

  ところが、そのお口の情況は、といいますと、例年の検診の結果からみますと、困

ったことに、ムシ歯がそのままになっている、なかには膿んでいるものもある、歯を

抜きっぱなしになっている、という情況なんです。

  「乳歯は、萌えかわる歯だから治療はしなくてもいい」と考えているお母さんは、

おられませんか?「とくに痛がっていないし」なんて。

はたして、そうでしょうか?

  うちの子には、ムシ歯はないという方、あるのは分かっているけど、痛がらないし、

治したいけど、診てもらえないので、という方。

痛くなければいいんでしょうか?

崩れだすと速いですよ

まだ治療されていない方どうですか?

  では、永久歯が出てきたら頑張ろうと思ってらっしゃる方、少し考えて見ましょう。

  さて、最初に顔を出す永久歯はどれでしょう?

これがいわゆる6才臼歯です。

では、この6才臼歯は、どこに出て来るのでしょう?

そう、顎(あご)の一番奥から顔を出すんですね。

では、みなさんの中で、お子さんの6才臼歯が、すでに萌え始めているという方は、

おられますか?

まだ6才ではないから、もうすこし先のことだと思っておられるんじゃありませんか?

それとも、最近は、歯磨きは子供にまかせっきりで、お子さんのお口をのぞいてあげ

ることもなくなったので、わからないということかも知れませんね。5才で顔を出す

子も、たくさんいますよ。

お子さんの歯を必ず見てあげているという方は、おられますか?

  さあ、こんな状態で、はたして、いい永久歯を迎えることができるでしょうか?

まず、この永久歯一番乗りの6才臼歯のことを考えてみましょう。

実は、この6才臼歯、正式には第一大臼歯というんですが、この歯こそが、永久歯の

中で一番ムシ歯になりやすいのです。

  理由はいろいろありますが、まず第一は、他の永久歯と異なり、萌えかわる乳歯の

ない、新しいところから、乳歯の列の中に仲間入りするため、乳歯だと勘違いをして

いる事が多いということです。

「エッ!それ永久歯ですか?」と言われるのは、しょっちゅうです。

  つまり、顔を出していること自体知らないでいるということです。

もちろんその上出たては、背が低いわけですから、前からのぞきこむくらいでは見え

るわけないんですね。

  そんな状態で、お子さんに歯磨きをまかせっぱなしになっているという情況を考え

てみますと、まだまだ手が充分に器用には動かせないために、乳歯でさえはたして磨

けているかどうかというなかでは、到底萌え始めたばかりの6才臼歯が充分に磨けて

いるとは思えません。

  この環境のわるさに加えて、歯の形としては一人前ですが、石灰化が充分に出来て

おらず、出来立てで、つまり崩れやすい、その上、形からみても、歯の咬む面の凸凹

が大きいので歯垢が付着しやすく、ムシ歯になりやすいのです。

  そこへもってきて、治療せずに、ほったらかしになっているムシ歯がいっぱいある

ようなお口だと、なおさらです。

  6才臼歯以外の、乳歯と萌えかわる永久歯にしても乳歯をひどいムシ歯のままで放

置していると、出番を待っている永久歯自体が不充分な出来かたの歯になってしまっ

たり、萌えかわりがスムースにいかず、歪んで萌えてくる事もあります。

  こういった事を考えてみますと、「乳歯なんかどうでもいい、永久歯に萌え代わっ

たら頑張るから」なんて、まったくなんの意味もない言い訳だという事になりますね。

今が、永久歯を守るのに一番大事な時期なんです。

  では、本当に永久歯を守る為には、何が必要かという事になりますね。もちろん、

これさえすればというお話しを出来ればいいんですが、残念ながらそういう方法はあ

りません。

  かといって、なんども歯磨きをするとか、市販のお菓子をいっさいやめてしまうな

んてのは、そう簡単には出来ないでしょう。

  そこで、せめてこれだけは頑張って実行して頂きたいという事だけに絞ってお話し

したいと思います。
健康な永久歯のために、これだけは頑張ろう
      @ 夜寝る前には、必ず、ていねいに歯をみがく。
         6歳臼歯が萌出する前後は、必ず母親が確認し、仕上げをする。

      A 1日に口を動かすのは5回まで。何回も食べるのがいちばんいけません。

      B だらだら食いをやめ、なるべくまとめて一度に食べる。

      C 食べたあとは、必ず口をすすぐ。

      D 歯が少しでもおかしいと感じたら、すぐ歯科医の治療を受ける。

☆ 出来てからでは、大仕事!!

☆ つくらないように頑張るのが一番!!

☆ 歯がよごれている時間を最小限に!!
                                以上です。

出来る限り絞りこんで、お話ししたつもりですが、これでも習慣とするには、かなり

努力が必要だと思いますが、完璧にできないからといって、みんなあきらめてしまわ

ずに少しでも出来る事からやり始めて下さい。必ずいい結果につながると思います。

                                                         (吉岡)
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